山ほどある八木節サイト

 検索エンジンで八木節と入れてみると20万件を超えるヒットがあります。それだけ八木節愛好家が多いということでしょうか。歴史なども検索するといろいろ出てきます。(ただし、「八木節打法」というのは、太鼓などでなく、パチンコのことのようです。)

 これらを見ると、やはり桐生がダントツです。足利、太田がもっとヒットしてもいいと思いますが。

苦労話

 八木節の笛の音に魅せられることウン十年、笛は吹けなくてもこのメロディを何とか自分のものにしたいと思っていた。そこで、まずは楽譜を探すがこれが全然見つからない。それなら、笛の音を聞かせて直接楽譜にしてくれるソフトはないか、と探したがこれもない。もしかしたら数十万円も出せばあるかも知れないが、、、。

 このメロデイを土地の人でない方がいろいろな楽器で演奏しているものは見つかり、こういうものは採譜できそうだ。しかし笛本来の魅力はまったく失われていて楽譜化する気になれない。やっと一つだけあったのが桐生市の八木節教本の笛だ。しかし、笛の知識がないためさっぱり理解できない。

 そこで、思い切って採譜に挑戦した。まずオリジナル音源は桐生市役所HPから録音。ストリームの音をダウンロードできるソフトを購入、更にダウンロードした音楽ファイルを調理して、半分の速度に落とすソフトも購入した。これらは大分高かった。そしてこの音をパソコンで聞く。パソコンで演奏させれば、テープを巻き戻しするようなことは電子的にできるので、マウス一つで、たとえば1小節でも繰り返しができる。小生には音を聞いて直接楽譜にする能力はない。そこで、しかるべき楽器を持ちだしてほんの少々を頭に入れ、これを楽器で演奏してみる。手を動かして拍子を数える。そしてやっと楽譜に書き入れる。楽譜作成ソフトに「finalenotepad」というのがあるが、08年までは無料だったのが、11年には有料になった。これも購入(たった1050円だが)した。

 こうして繰り返すこと数百回、たった1分もないメロディだが、大変な苦労の末にやっと完成した。有難いことに、finalenotepadは作った楽譜をパソコンが自動演奏してくれる。これは校正には大変便利だ。ただ安いだけに、装飾音符、その他笛の特徴を表現する術がない。また転調ができないのが最大の難点だ。やたら臨時記号の♭が増えてしまった。また、この楽譜はMIDI音楽ファイルとしても保存できる。

 だが、出来た楽譜はそのままではアップロードすることはできない。友人に送ってもこのソフトがなければ読むこともできない。そのためこの楽譜をPDF化するソフトも購入してしまった。(探せば無料ソフトもあるようだが)

 ここまで来たので、今後いろいろな音源からの笛メロディを五線譜化、MIDI化して行きたいものと念願している。

 

稲村クニさんのこと

 もう故人となられたが、太田市下田島に稲村陸合一(くにかず)さんという人がいた。八木節の名人で、少なくとも当時の宝泉村では右に出る人はいなかった。まだテレビなどが出回る前だが、NHKののど自慢で鐘3つを鳴らした。その後はすっかり有名人になり、日劇に出演したり、たまにはテレビにも登場した。下田島の大スターとなった。自宅は農家なのだが、家人が茄子の料理を出すと、声が悪くなるといって食べなかったという伝説がある。

 どういういきさつがあったのかよく覚えていないが、この人と知り合いになった。そして、太田八木節保存会新年会に誘われ、つれて行ってもらった。その時の「まっちゃん」の笛の音がこのHPを作る根源なのである。 

 当日、会長(当時太田駅前にあった朝日タクシー社長)が、「若え頃は、草刈いしながらけえこ(稽古)したもんさ」とおっしゃったのが45年たった今も耳に残っている。こういう経験が、あのなんともいえない両毛人の八木節の「味」につながっているのだなあ、と思う。 

 

木崎の色地蔵

木崎宿(現太田市新田木崎)には色地蔵というのがある(らしい。確認してない)。昔編者の叔父が酔って唄った木崎節に

 

木崎街道の色地蔵さんは
男通れば石とってなげる
女通ればにこにこ笑う
これがほんとの色地蔵さんよ

 

というのがあった。子供の頃に聞いたので、歌詞は定かではないが、これもどこかで八木節につながっているのかな、と思う。

 

国定忠治の歌詞のこと

以下2点が気になるのでコメントします。 

1.国定忠治を育てるのに、「蝶よ花よ」という言葉がでてきますが、女の子ではないのだから、甚だ 

  違和感を覚えます。 でもそういう原作なのだから仕方ありませんね。

2.唄の中で「島村いさむ」という言葉が出て来ます。忠治が争うのはのは「島村の伊三郎」親分です

  から、勇ではなく、「島村いさぶ(伊三)」が正しいのです。「いさおやかた」も「勇親方」では

  なく伊三親方」です。こちらの方は歌い継がれるうちに誤ってしまい、ついでに歌詞の文字まで化

  けたものと推定します。 

 

八木節と三味線

 堀込源太は、八木節の囃子の中に、安来節に対抗して、三味線の導入を試みたらしい(友常先生)。

編集子も子供の頃、一度だけだが三味線の入った八木節チームを見たことがある。しかし当時はアンプやスピーカーなどの音響設備は皆無に等しく、太鼓や鼓の音に消されてどのようなメロディーを演奏していたのか全然わからなかった。その後見たことがないところを見ると、結局は融合しなかったものと思われる。因みにこの時の三味線奏者はオバサンだった。

 今後もし導入するとすれば、当然津軽三味線だろう。そして、三味線の前にはマイクが必須だ。うまく合わせれば、面白いアンサンブルになるのではないだろうか。

 

上州佐位郡

 八木節国定忠治の出だしは「国は上州佐位郡にて」とある。ところが、群馬県には佐波郡はあるが、佐位郡というのはない。そのため八木節の歌詞をみると、「国は上州佐波郡にて」というものもある。

 明治以前には、上野国には佐波郡と那波郡というのがあった。明治以降この両郡が合併して佐波郡となったのだそうである。だから「国は上州佐位郡にて」が正しい。

 

 

八木節の声はなぜ高い?

 八木節の上手な人は皆頭のてっぺんから声が出ているような高音である。私流の解釈では高くないと上手には聞こえない。

 編者も民謡全般にわたって好きで、神奈川県民謡連合会のコンクールなどずいぶん顔を出した。残念ながら、八木節の出演者は皆無だった。私も嘗て勤務していた宮城県のさる町の地元民謡を持ち唄として何回か応募したが、せいぜい2次予選までで、それ以上は合格しなかった。

 それでわかったのだが、いい点数が出る第一の基準は、声量の多いこと、つまり大声で歌えることだ。声量があれば、多少下手でもいい点がもらえる。次は高い声が出ること。低い声の男はいくらうまくてもいい点はもらえない。私は両方駄目なので入選しなかった。だから秩父民謡歌手の小沢千月さんみたにないな低音だと大変損だ。フランク永井も駄目だろう。

 たしかに聞いていて男の高音というのは大変美しい。八木節も同じ。それ故八木節名人は総じて高音で大声で唄えるのだ。

 

新潟市、下駄総踊り

 23年9月17日朝7:45から、NHKTVで、新潟市の下駄総踊りというものを、入田直子アナが中継していた。この踊りの音楽(?)がナンと樽だけなのだ。見たところ1斗樽と思われるが、5つか6つが一斉に叩かれる。撥は棒ではなく、木槌状で、そのリズムは八木節に良く似ている。江戸時代からあるそうで、この意味では八木節より古い。八木節もルーツは越後と言われているが、もしかしたら樽もこれがルーツだろうか?ただ新潟市方面から例幣使街道まで女性が売られて来たとは少々考えにくい。

 踊りそのものは、男女とも派手な着物に派手は化粧、全員が足駄下駄を履き、その動きの激しいこと、10分ほどでバテそうだ。

What's New

*ホームページに友常先生の著書を紹介しました。 

*「八木節を聴いてみる」のページに二代目堀込源太の唄をアップロードしました。

*「八木節を聴いてみる」のページに桐生市ホームページの正調八木節、長講2番のリンクを追加しました。

 

*「八木節の発祥」のページに友常先生の新聞記事抜粋を掲載しました。(23.4.14)

 

*「八木節を聞いてみよう」のページに詩吟の漢詩、MIDI音、PDF楽譜を追加しました。(23.4.13)

 

 

*一言つぶやきました。(23.4.27)

 

*八木節を聞いてみようのページに3代目堀込源太の唄を追加しました。(23.5.4)

 

*堀米左源太大師匠にお目にかかりました。掲示板をご覧ください。(23・7・27)

 

*つぶやきのページに新潟市、下駄総踊りの記事を追加しました。(23・9・17)

 

*太田八木節保存会のページを新設(23・10・21)

 

*地域自治会や、区の老人クラブ連合会などを次々命ぜられ、このホームページを全く触る時間がありませんでした。やっといくらか時間がとれましたので、長年の懸案だった、太田八木節保存会新年会で、名人マッチャンの笛長講を五線譜化してみました。

笛のメロディーのページにアップロードしました。(H27・1・

21)


*木崎音頭のきれいな動画をみつけましたので、「八木節を聞いてみる」のページの木崎音頭を更新し、urlをアップロードしました。

また、大変珍しい「横樽音頭」もありましたので、同じページに乗せました。(H27・1・30)


*桐生市ホームページにリンクを張っていた3つの素晴らしい八木節は、桐生市により削除されてしまい、聴くことができません。そのためリンクを削除いたしました。

CDが出ているので買ってほしいとのことです。(H27/2/14)